「えっ、バスケ部の合宿って東京のスポーツ宿泊施設のことなのぉ!?シケてんなぁ・・・。」
昼休み新米から渡されたプリントを教室で見ながら、未茉はがっくりと肩を落とす。
「もっとさー、避暑地とかねぇの?軽井沢とか、それかぱぁ~っと海外へハワイ遠征とかっ!!」
「・・・軽井沢はあるとしても、さすがにハワイはありえないよ。」
机の上に座りながらキタロー特製のフィッシュパンを食べる未茉のあまりの無謀さに三上は安定の突っ込みをいれる。
「それよりお前いいのかぁ?勉強しなくて。明後日追試のくせして。」
結城にはごもっともな指摘をされるも、
「軽井沢とか那須高原とかならやる気起きるのになぁ~。」
‘チェッ’と憂鬱な追試に未茉は渋々机から降りて教科書を机の上に出す。
「教えてあげよーか。」
昼休み中、気持ちよく窓辺の太陽の光を浴びながら眠っていた体を少し起こして未茉の背中を突っつきながら翔真は微笑んだ。
「えっ、マジで!?」
「ん。」
机から長い片腕を出し寝そべりながら上目使いの寝起きの翔真はやたら色っぽく、クラスの女子達も少しドキッとするほどだった。
「わぁーいっ!!じゃ教えてぇ!!!」
「じゃ合格点取れたらまたなんか言うこと何でも聞く約束ね。」
‘しめた。’と言わんばかりに差し出された交換条件に
「・・・・。」
クルッと三上の方を振り向き、
「三上大先生!!頼みます!!」と頭を下げるも、
「翔真に教えてもらえ。」
自分よりできる翔真が面白くないのか教えてくれようとはしない。
「えぇーー意地悪っ!!」
「じゃ結城ぃ!!」
「無理だって。俺お前と10点くらいしか変わらねぇーし。」
「えーっ!なんだよーお前ほんとにバカなんだなぁ。」
「追試のバカに言われたくねぇーだろっ!!!」
机から身を乗り出して怒鳴られた。



