「よぉ!禅どうした?遊びにきた?」
「・・・まさか。学校見学会で来たんですよ。」
「あ~~!そっかそんな時期か。そういや午後からあるって言ってたなぁ~だから今日短縮授業なのか。」
未茉は納得しながら手を叩き…ん?と固まる。
「えっ、禅、うち来んの!?」
「まさか。先輩に会いに来たんですよ。」
「はっ!?」
「王子高から推薦進学間違いないけど、せっかくの機会だから先輩の高校見てみようかと思って。要は暇潰しです。」
「ぼっちゃんの暇潰しかよ・・・・。ま、お前は将来父ちゃんの大病院を継ぐ医者だもんな。」
「ええ。いつでも嫁に来てくれて構わないですよ先輩。」
「嫁には行かねーけど、診察には行ってやるよ。」
「先輩の裸体を隅々まで見れると思えば診察しがいがありますね。」
「おまっ・・・マジ死ね・・」
「そういえば、決勝戦観に行きましたよ。」
「え。」
「……」
「…ああ、大成戦?負けちまってよ。なっさけねーな。」
ダム……ドリブルをする手を止めると禅の目がいつもよりも伏し目がちだった。
「あんなにエモいと感じたのは初めてでした。」
「!」
「そして先輩が一番かっこよかった。」
ちょうどチャイムが鳴ると禅は軽くお辞儀をしてスリッパの音をたてながら出口へと歩いてくと、
「禅っ!!!」
「!!」
呼び止めて後ろからジャンプして大きな背中に飛び付き、
「さんきゅっ!!大好き!」
禅の精一杯な気持ちが伝わるようで可愛い弟分の言葉はとても嬉しかった。
「僕も大好きです。」
背を向けたまま頷くも、爽やかさを装う禅は背中から感じる未茉の胸の膨らみに、
(A…いやB?……Cはないな。)
勝手な妄想を組み立ててる鋭い禅なのでした。



