「な・な・な・な・なぁんでぇえええっ!!?」


楽しかった海からの翌日、未茉の身には思いもよらない現実が突きつけられていたのだ。

「うるさいぞっ!!白石っ!!!!」
「せ・・せんせぇっ・・!!」
ベシッと丸められた答案用紙で新米斎藤からのムチが涙目の未茉に飛ぶ。

「一生懸命勉強したのにィィィ!!!うわぁぁあんっ!!!」
担任の腕を引っ張りお情けちょうだい攻撃もむなしく、
「ふはははは…生意気に海でリア充なんかしてるからそうなるんだぁああ!!」
こんがりと焼けた未茉を見ながら、婚活絶不調な新米斎藤は八つ当りに励む。


「いいか?国語は赤点。明日の追試で合格点取らなきゃ夏休みの間ずーーっと学校で補習だからな。」
「ず…ずーーっと!!?」(確認)
「そうだ。ずーーーーーーっとだ!」(威嚇)
「えぇぇ-ーー!!?」
あんまりだぁぁぁああああ!!と泣き出す未茉の横では、

「あっぶねぇ……ギリギリだった。」
全教科返却されたテストの点を眺めつつ結城がホッと胸を撫で下ろし、

「まぁまぁかな。」と貴重なテスト勉強時間を未茉に割かれたのにも関わらず学年上位の三上は点数に満足してる横で、

「すげ・・俺こんなにいい点数久々。」

我が目を疑うように返却されたテストの点数を自画自賛する翔真の答案用紙を結城と三上が覗き込み

「「!!?」」

三上の勉強会が功を奏したのか、翔真のテストの点数は驚くべきものだった。

「おまっ・・・益々嫌みな奴だな。」
「ありがとなっ!三上大先生っ!」

(・・・もう翔真には絶対に教えない・・・)
自分のテストの点よりも何教科もいい点数に三上は、ニコッと微笑む翔真にそう誓ったのであった。

「なぁんでぇ!!!翔真なんかいつも授業中寝てばっかなのにぃぃ!!」
うわぁぁぁあんっ!!と未茉は机に伏せ再び泣き叫ぶそんな彼女を見て、

(なんと…!!白石の細い体を心配し、筋力作りばかりに気を取られていたら…知能低下に…!!しばらくDHAを豊富に含んだメニューにシフトチェンジしなければ…!!)
キタローは慌てて未茉の差し入れメニューを作り直した。