「よぉっ!カップルさぁーんっ♡」

翔真と遅れて体育館に行くとまるで新婚さんを出迎えるかのような結城の笑顔にイラッとした未茉は、

「いってえっ!!!」
ベシッ!!と結城の頭を思いきりひっぱたたき、不機嫌さ丸出しのまま未茉は睨んで体育館に上がってく。

「またなんかあったのか・・?」
三上は呆れながら翔真と未茉に尋ねるも、
「なんもねーよっ!!練習だっ!!練習!!絶対国体優勝!!!」

「「おぉっ……!!」」
大きく出た未茉の優勝宣言に男子部員達は、驚くも
「「いーぞ!白石そんぐらいの気持ちで行けっ!!」」
エールのこもった声援を飛ばされると、


「おぉっ!見てろよ!翔真の骨抜き女!!ぎゃっふんと言わせてやっからなっ!!!」
「「??」」
その堂々たる宣言に拍手が送られるもなんのことだか、部員達は分からずにいると、

「なに翔真の骨抜き女って・・・」
三上は呆れながら翔真に尋ねると、もう半分面倒くさそうにしていたが、
「まさか翔真に勝負を申し込んだ女が自分だってことに気づいてないんじゃないだろうな?」

「おーさすがだね三上。」
合宿のやりとりで薄々勘づいていたことが、持ち前の頭脳で真実に辿り着いていたさすがの三上に翔真は感心するも、

「あそこまでくると鈍いっていうよりバカなんじゃないかと思うけど・・・」

「そこが可愛いんだよ。」

「・・・マジで言ってんの・・」
にこにこした翔真にほとほと呆れ返る三上は、
「だってあれ、自分で自分に勝負を申し込むとか言っちゃってるんだぜ?」
端から見たら頭おかしいぞ、と更に言うが翔真も何も言えなかった・・・。