「合宿でさ、桐生に俺らがキスしてるとこ見られてなんか言われたんでしょ?」
「言われたけど。」
試合を目で追ったまま未茉は何も考えずにただ答えた。
「キスされそうになって恋愛に夢中になってるから全国にいけなかったとか色々暴言あったって聞いて…」
「ああ、あれなら健兄に話聞いて貰って解決したからもう大丈夫。」
思考も試合に集中してた為、視線も向けることなくそっけなく答えると、
「……」
「なんだよー出だしよかったのに完全向こうペースじゃん。」
ちょうど第一Qが終わると未茉は舌を鳴らし無反応な翔真をみると、
「あ、何?」
翔真は瞼を落とし今まで見たことないくらい酷く寂しい横顔をしていた。
「本音を言えば、俺に真っ先に話して欲しかった。」
「……」
「小さい頃から星河さんとは一緒だったって言うのも聞いてた。でもそういう二人の大事な場面で頼るのも解決するのも星河さんなら、俺ってどういう存在なんだろうって思う。」
「あ?どういうって……」
思わず言葉を詰まらせてしまったのは、翔真の言葉の意味が理解しがたかったからではなく、自分の気持ちを理解して貰ってないことに気づいたからだ。
「俺はただ好きなだけじゃなくて未茉ちゃんの力にもなりたいし、元気にもなりたいよ。」
「なってるよ!!」
思わず未茉は立ち上がり、驚く翔真の両肩をガシッ!!と力強く掴みながら言った。



