「おわっ!!!?」
足の踏み場もなかった物やゴミで散らかってた部屋が綺麗にピカピカに輝いていた。
「ははっ!分かりやすい奴!嵐の罪滅ぼしだろーな。」
珍しく綺麗な未茉の部屋を見回しベッドに健は腰かけた。
「アイツ、写真立ての中身全部変えやがった!」
「ん?全部昔の嵐と未茉の写真になってるな。」
「クラスのみんなで海行った写真とかすり替えてやがる!」
「ははっ!お前が湊に夢中なのがよっぽど気に食わねぇんだな。」
健にとっては嵐のそんなガキっぽいところが幼馴染みの兄的には可愛く思える。
「っとによー!」
と言いつつも、未茉も幼い頃の悪ガキ姉弟が肩を組みあって笑う写真を見て、
このままでいっか。と写真たてをそのまま飾ることにした。
「しっかし!あたしへの暴言と唇をかじった罪は重いけどなっ!」
「かじったって・・・お前」
「ほら、青くなってる」
未茉は鏡で自分の口を開けて切れた場所を確認する。
「どれ、見せてみ。」
「ん。ほら。」
ここ。と唇の内側を引っ張り指差すと健は両手で未茉の両頬を押さえ覗いた。
「痛そ。周りも白くなってるぜ。」
「口内炎みたいにいてぇ。」
ベッドで至近距離で顔を近づけると、健は急に目を閉じて唇を近づけた。
「おいっ…!!」
「なんだ。キス催促されてんのかと思ったよ。」
「どこかだよっ!?」
「だって顔に書いてあるぜ?」
「何も書いてねーよ!!」
「バカ。俺にしか見えねーペンで書いてあんだよ。」
「なんてだよ・・・」
「健兄とならキスしてもいいって。な。」
「書いてねーよ!!!ぜってぇー書いてねー!!!」
「でも顔真っ赤だぜ?」
「うっ・・・。」