「えっ!!嵐帰っちゃったのぉ!?」

未茉が公園から帰ってくると、おばさんもおじさんも嵐も帰ってしまっていたのだ。

「なんでぇ?明日帰る予定じゃなかった?」
「そうなのよ~。桐生さんの仕事の都合で急遽……。ママももっと話したかったわぁ~」
そう言いながらシクシクと泣き出すママに、

「練習しないで真っ直ぐ帰ってくりゃよかった・・・。」
見送りできなかった未茉はがっくり肩を落とすと、

「でも未茉はすぐ嵐に会えんだろ。」
ソファーで寛ぎながら健はそう言った。
「え?」

「来月の国体予選勝ち抜けば、9月の本選は会場で会えるぜ。」

「そっか!!でもまぁ、嵐には会えなくていーかけどよ!!おじさんとおばさんに会いてぇなぁ。」
「・・・嵐がかわいそうだなぁ。」


「ああっ♡♡ママ国体超~~~楽しみだわぁっ!!!」
さっきまでの悲しみはどこへやら、ママは急に目の色変えて声を弾ませた。

「健君も匠君も出るし湊君も出るし、もーっ!!イケメン目白押し!超~~楽しみぃ♡」
「おい。楽しみに娘が入ってねーじゃねーか・・・。」
ハイテンションのママに未茉は睨んだ。

(その三人がみんな娘のことが好きで取り合ってるって知ったらおばさんどんな反応するんだろ。あ、あと嵐もか。)
健は他人事のようにちょっと面白そうに思ったのだった。