「なぁー、母ちゃん嵐兄ちゃんと姉ちゃん一緒の部屋に寝かせるのやめろよなー。」

「えー?なんでぇ??」
部活に行く和希が朝御飯を食べながら言うも、ママはフライパンを振りオムレツを作りながら聞き返した。

「だってあぶねーだろ。嵐兄ちゃんに姉ちゃんが襲われたら。」
「ふふー大丈夫よ♡嵐君にはそんな度胸ないから」

「・・・・。」
(分かってねーのか、分かってんのか。わかんねー・・。)
和希は苦笑いしながらご飯を頬張ってると、

「あ、ねぇちゃん。おはよ。」

リビングに入ってきた不機嫌さ丸出しの姉・未茉に気づくと、
「ついに嵐兄ちゃんに襲われたのか?」
ニヤニヤとした顔でふざけ半分で聞く弟は姉の地雷を踏んでしまい、

「・・・・。」

和希は頭にタンコブ四つつけて涙目になりながら飯を食べることとなった。


「おじさんさんは?」
「近所の人達やこっちの友人に挨拶に行ってるわ。明日には帰っちゃうみたい~~ママ寂しい。」
クスンッと泣きながら未茉にご飯を手渡した。

『嵐!卑怯だぞっ!フェイクかけやがったなっ!!』
『今日は俺の勝ちだっ!!』
『この野郎!!』
『わははははっくすぐってーよっ!!』
『参ったって言いやがれぇ!!』
『それはこっちの台詞だろうがっ!!』

「可愛いわねぇーこの頃はぁ~」
ママは懐かしさから無邪気にじゃれ合う幼き二人の昨日から回しっぱなしのビデオを見ながらしみじみしてると、
「ごちそーさま。」
箸を途中で止めて立ち上がると、
「あらっ、未茉ちゃん珍しいっ!もういいの?おかわり……」

「行ってきます。」
荷物を背負ってスタスタとリビングを出ていくいつもと明らかに様子の違う未茉に

「ほら、姉ちゃん何かあったんだよ。嵐兄ちゃんと!」
「あらぁ~♡いいじゃないいいじゃない♡障害はあった方が湊君と未茉ちゃんの仲も深まるわぁ~♡♡」

「はぁ?なんでそうなるんだよ・・」