朝の日差しが濡れる髪をキラキラと反射させて、長い髪から伝い落ちる雫に、すっと通った鼻筋からシャープな顎のライン。
「んく…」
水を飲む度に揺れる首筋から流れるような曲線が辿り着く鎖骨。

蒸気でピンクに色づく頬に閉じた瞼には長く濃い睫毛が少し揺れていてーー気づくと嵐の目はもう隠しようがないくらい、未茉に目を奪われていて、

「……ん?」

そんな彼に気づいたのか、ぷはっと息を吸い込みんだ彼女はこっちを見て、
「ああ、飲む?」
ペットボトルを差し出す。

「あ……いや……」と嵐が迷っていると、彼女は水をまた口に含み、彼の手を勢いよくひっぱり引き寄せた。
「んんっ………!!」

嵐の両頬を両手で持ち上げ、驚いた唇が少し開くとそこに強引に彼女の唇が蓋をするように

「んくっ…」
冷えていたはずの水は二人の口の中で生温い水となり、自分の口の中へ押し流れてくる。
「はっ……」
飲み干し見上げると少し薄目をした彼女が微笑んだように嵐の目には映り、また深く目を閉じると

「あらし……」
あの甘ったるい声で名前を呼びながら俺を押し倒すようにゆっくりと唇を重ねてくる。