「しかし……」

(昔のまんまの行動を平気でやってくんだな…。平気で目の前で着替えて隣で眠る。安心の男だと思われてるのか。いや、そもそも男というものを分かってないのか。)

どっちにしても空しい結果なので考えるのはよそう。と深く瞼を閉じるも、
さっきのキャミソール一枚の未茉の薄着姿が浮かび、

「どわっ!!!」

思わず起き上がり大声を出す。
ドッドッドッ……
(や、や、やべぇ心拍が・・・)
はぁはぁっと思わず息が上がる。

(アイツ、少し胸でてたような・・・?)
「ん?出てたかな?」
腕を組み、首を傾げ思い返すも
「あんまなかったような気がする・・・」
それもそれで複雑だと一人で考えてると、


「何ブツブツ言ってんだ?」


「は……はやっ!!おまっお前っちゃんと風呂入ったのかよっ!!!」
振り向くと濡れた髪をタオルドライしながらティシャツ短パン姿で早々と未茉は部屋に戻ってきた。

「風呂沸いてねーもん。シャワーだよ。」
「シャワーったって早すぎだろ!か…体洗ったのかよ」
「洗うだろ。チャッチャッとな。長々入ってらんねーよ。」
そう言いながらベッドにあぐらかいて嵐の隣に勢いよく座る。

「チャッチャッって……」

そう言いかけた時、ふわっとシャンプーのいい匂いが香った。
(やべぇ……もーマジで)
思わず顔を背けながら赤くなったであろう顔と下心を必死に隠すも、

……ゴクゴクッ……

冷えたペットボトルの水を音をたてながら飲むその横顔も姿勢もなんともいやらしく嵐の目には映る。