「ガード?翔真が?うーんっ」
そんなやりとりを他所に未茉は記憶を辿りなんとか思い出そうと頭を抱えてると、
ーードンッ!!っと大きな体にぶつかり、

「ぶっ!!!」
未茉は撥ね飛ばされてしまった。


「湊君…………」

せめてものお見送りに、とやってきたジャイコがハンカチで涙を拭いながら翔真を見つめる。

「おいっ!ジャイコ!!いてぇぞっ!!」
ーードンッ!!仕返しだとばかりにジャイコに思いっきり体当たりを仕返すと、ずどぉぉん!!と物凄い震動と砂を舞い上がらせジャイコは地面に倒され、

「きゃぁあああっ!!何すんのよ!!痛いわー!酷いわー!!」
「きゃあきゃあ喚くんじゃねー!!痛くねーだろ!何のためのそのデケェ体だよ!」
「何よぉっ!!」
「あんだよっ!このリボン女!」
「うんまぁ!!チャームポイントよっ!!」
「どう見ても激痛ポイントなんだよ!!」

ぎゃあぎゃあっと掴み合いとエンドレンスな二人の言い合いの横で、

「では、全国でまたお会いいたましょう。それまでに僕が最高のチームへと導いてるので」
キリッとスーツでばっちり決めた新米斎藤が名古屋女子のコーチ陣にかっこつけているのを尻目に

「・・さ、帰るぞ帰るぞ。」

野村監督も女子部員達も二人を置いてきぼりにし、さっさと駅まで歩き出した。