長いようで短かった合宿も終わり、明徳バスケ部員一同は荷物をまとめて玄関先に整列して、
「「ありがとうございました!!」」
職員達と宿舎へ深々とお辞儀をした。

「ふぁっ……ありが……」
言うまでもなく寝不足の未茉は口いっぱいに大きなあくびをしながら涙目で一人腑抜けな挨拶をすると、

「おらっ!!きちんと挨拶しろ!!」
バコッ!!と矢野に後ろから思いっきり頭を叩かれ、
「ふぁい……」涙目になりながらも
「ありがとうございました!!」と大声で挨拶をし直した。


「未茉ぁあ!!」
その時、ららがバタバタと大きな足音を立ててやってきた。
「ららっ!」
「未茉ぁぁ~~~!!!!」
涙目になりながら、ららは別れを惜しむように抱きつく。
「また絶対に会えるよね!?ううん!私未茉に絶対に会いに行くからっ!!」
「おうっ!らら待ってるからなっ!!全国で会おうなっ!!」
「ん?どっちかっていうとそれはうちの台詞じゃない?」
「こまけぇーこと気にすんな!」
「うん。そうねっ!」
ギュッと再びあつく抱き合う二人を見た翔真は、隣にいた不破に両手を広げ、

「不破さん。」
「あ?」
「ほら。」
「あ?なんだよその手は」
「いいんですか?愛しの俺に抱きつかなくて。」
両手を広げてスタンバイをするも、
「なんで俺がお前なんかと!!」
「またまた。そんな照れなくてもいいですよ。」
「おめぇなぁ・・」
「あはははっ。」
柔らかな翔真の笑顔を見ながら、不破は拳を軽く腕にぶっつけた。