元々、日本代表選手だった父のプレーや渡米した時の外人選手とのプレーのビデオなど幼い頃からみていた未茉にとってはバスケはもっとも身近なスポーツだったからか、
その記憶に焼き付いたフォームや、持ち前の運動神経の良さからか驚くべき上達を見せ、
「天才かもしれねぇ……!!」
未茉の小さな手のひらに吸い付くようなドリブルの鮮やかさに滑らかさ、早さ、そのセンスは教室にいる誰にもひけをとらないと判断した健は清二に伝え、教室に連れていった。
「「うわ……すっげぇーっ!!」」
何年も通っている生徒達にその腕前を披露するとそのセンス光るプレー声をあげて驚く程だった。
(すっげーなんて奴だ……。昨日今日始めた奴のプレーじゃない。)
……ゴク……と生唾を飲み、呼吸もできなかった。
後にも先にも嵐が人のプレーを見て鳥肌がたったのはこの一回だけだった。
「うむ……」
苦い顔して清二は首を傾げていた。
今となっては分かるが、清二さんは元々兄弟の中でも、生徒達の中でもバスケの潜在能力の高さは未茉が一番あったことに本当はとっくに気づいていたんだと思う。
でも未茉ママに困ったと言われた手前、躊躇していたのだと思う。
「パパお願い!!バスケやらせて!!やりたい!!頑張りたい!!お願い!!!」
未茉がバスケをやりたいと思うのは、上手かったからとか才能があったからとか、そんな理由じゃない。
プロとして活躍し、日本ではメジャーではないバスケを唯一一般の人でも知るような黄金時代を一人作り上げた偉大な父を尊敬し、そんな背中を見ていた。



