星河兄弟がバスケを始めたのは彼らが五歳の時だった。未茉の父・白石清二が東京で開く少年少女向けのバスケットクラブリーグに通い始めたのがきっかけだった。
嵐も四歳の時にその教室に通い始めた。
「なんで未茉は行っちゃ行けないのぉ!?仲間はずれだぁぁ!!うぁーんっ!!」
みんながバスケに向かう間、未茉はバレエとピアノに強制的に連れてかれたのは、
「あらぁ、可愛い顔した男の子ねー!」
公園であった人に未茉を見てそう言われたり、狂暴でがさつな性格に幼稚園でも実は男の子なんじゃないのかと他のママ達に嫌みを言われたからだ。
「あのまま未茉ちゃんが男になったらどうしましょう………」
なるわけねぇだろう。
と、未茉のママに突っ込みを入れたいとこだが、パパも日々男化していく娘を心配して女の子向けの習い事をすることを賛成した。
だが、ピアノもバレエも一時間持たずに脱走しパパの教室を毎日覗きに行ったことに気づいた健が見かねてこっそり教えてくれることになった。
「いいか?未茉まずドリブルっていうのは……」
まず手始めにバスケの一番の基礎であるドリブルを教えようとしたのだが、
……ダンダンダン!
「……!!」
健は自分の目を疑うように驚いた。
フォームも姿勢もよくお手本をみんなに見せていたコーチである清二にそっくりにコピーされていたからだ。
「こうだろ?」
二ッと得意気に微笑みながら見よう見まねのドリブルは人生初とは思えない程に完成されていたものだった。



