「俺に飛ばされたのは力でもなんでもねぇ。てめぇがヘタクソになったからだ。」
「ちげぇッ!!」
「いやそうだ。ボール見ねぇで男ばっか見てうつつ抜かしてるから負けんだよ。」
「なんだと・・コラ。」
思わず嵐の胸ぐらを掴みながら睨むと
「そんなにキスしてぇのか?男に抱きつかれて嬉しいのか?」
「ーー!」
「この色ボケ女が。」
「い…」
「男なんかにうつつ抜かしってから大成ごときに負けんだよ!!」
ーーバッ!!と捕まれていた胸ぐらを勢いよく嵐は振り払い、
「そんなんでエマに勝てると思うな。全国は甘くねぇ。」
「ーーー!」
「本気でタイトル取りてぇなら一分でも一秒でも練習しろ。このヘタクソが。」
ーーーバコンッ!
ボールを投げつけ嵐は体育館から去ってく。
「うるせぇ!!嵐っ!!!」
「……」
「バカ野郎!!もうお前となんか勝負してやらねぇーからな!!」
「……」
「ぜってぇータイトル取ってやる!!そんでお前を抜かしてやるからな!!」
「……」
息を切らしながら叫ぶ未茉に振り返ろうとはせずに去っていく嵐だった。
「うわ……嫌なもん見ちまったぜ……」
逆側の出入り口から二人のやりとりを目撃してしまったのは風呂帰りの結城と三上だった。



