「っーかさ、もしお前があのまま愛知にいたら俺らチームメイトだったよな。」

「は?」
突然どうしたんだと翔真は目をぱちくりさせると、
「だったよなっ!?って俺が聞いてやってんだからちゃんと答えろよっ!!!」
「あ……はい。うーん。俺が名古屋第一に行ってたか謎ですけど。」
「いや、行ってた!っーか俺が無理矢理入学させてた!!」

「・・・じゃ、そうなんじゃないんですか。」
半分めんどくさそうに同調すると、

「それとも。」
「……」
「今年白石が名古屋第一の推薦受けてたら、お前もこっち来てたか?」

「……」
「なぁっ!」
驚いて止まる翔真に不破ははっきり答えろと大きな声で聞き返すと、
「あ……はぁ」
「どうなんだよ。」
「いや」
「あ?」
「まいったな。」
「あぁ?」

「そんなに俺のこと好きですか?」
「な、わけねぇーだろーがよぉ!!!!」
広場に響き渡るくらいの大きな声で不破は翔真を怒鳴り付ける。


「お前となら桐生倒して日本一になれただろーよ。」


「……!」
思いがけない提案に一瞬驚くも、
「ああ…、桐生を倒して新川さんにいいとこを見せたいと。」

「いちいち口に出すんじゃねぇっ!!!」
再び耳元で大声を出しキレる不破にさすがの翔真も付き合いきれずにいると・・・。

「お前以外いねぇーんだよ。」

「……」
「今まであんなに息の合ったプレーできたのも、コイツとなら日本一になれんじゃねーかと思えたのもお前だけだ。」
「……」
「あの桐生を倒せるのはお前とならって思える。」

「あはははっ!」
突然笑いだす翔真に不破は驚く。
「な…なんだよ。」
「人に女なんかに惑わされるなって言うわりに不破さんだって惑わされてるじゃないですかっ!」
「ぐっ・・・・」

あはははっと笑いが止まらない翔真に、
「だったら悪いか!!」
「悪くないです。全然。」
「おう。」

(たとえ仮に日本一になっても不破さんの性格を直さなきゃ新川さんにはお付き合いできないですよ。)と言うか言わないか迷うも言わないでいると、

「あっ?!お前今なんか言ったか!?」
心の声が聞こえたのかキィッ!と目の色変えて睨まれる。

「いえ。何も・・・。」