「腹減って死にそぉ~~……」
翔真達の部屋の布団で頭を高めにしてティシュで押さえ鼻血が止まるのを待ちながら未茉は横になって情けない声をあげていた。
「そうだねー。」
開け放った窓から入る風をうちわで扇ぎながら寄りかかる翔真。
窓からはみんなの楽しそうな声や、バーベキューのいい匂いが漂ってきて、
「肉食べたいぃ……」
「そうだねー。」
「早く食べたいぃ……」
「そうだねー。」
「今すぐ食べたいぃ……」
「そうだねー。」
「だよねっ!?」
ガバッ!!!今すぐ行こうと起き上がる未茉に
「止まるまで寝てなさい。」
ガシッ!と肩を掴まれ無理矢理寝かされるも、
「イヤだ!!行く!!行きたい!!」
ぐぐっ……と押し倒す翔真の力に反抗してグッと腹筋に力いれて起き上がろうともがくも、
「くっ・・・・。」
ううっ……と腕力はまるで敵わず、グタッと布団にそのまま寝転がり、
「肉ぅ…」
しくしくと涙目の未茉に、
「相沢さん達がちゃんとととっいてくれるって。」
「焼きたてが上手いんじゃん!」
「自分が無茶したのがいけないんでしょ。」
「そりゃそうだけどさ……」
唇を尖らせながらブツブツと言ってると、
「よしよし。」
大きな手で未茉のおでこを撫でる翔真のふわふわっとした甘い空気に少しだけ、ちょっとならこのままでもいいやって気持ちになる。
「食い気より色気っーのがまさにこのことなのかっ!!」
少し大人になった気がする自分にハッとするも、
「え?逆じゃない??」
相変わらず噛み合ってなかったが、
「えへへへ……なんか大人の女になった気がするぜ。」
「大人の女がお肉食べたさに暴れたりしないと思うな。」
「細かいこと言うんじゃねぇっ!今大人の女気分に慕ってる時に!!」
はいはいっと翔真は退屈にあきたのかあくびをしてゴロンっと未茉の隣に寝そべり肘をついて見つめ、
「この前まで悪女だったのにね?」
ぷにっと未茉の頬を遊ぶように軽くつねりながら言うと、
「悪女……」
“私はあなたが嫌い。”
ふと試合前に言われたエマの言葉を思い出した。



