TIPOFF!! #LOVE SUMMER






桐谷と前原でパスを回して3Pを外から放つも、
-ーバコッ!溢れたリバウンドを未茉が手を伸ばし取るも、名古屋の四番がそれを阻止し、

「!!」
未茉と一瞬、ボールの取り合いになるも、190cm70キロの体の強さと腕力で敵わずタップシュートを決められてしまう。

「あ~~…」と明徳ベンチが肩を落とす中、

「アイツ……!!」
だが名古屋のキャプテンは真っ赤になった掌と未茉を睨んだ。
「細いくせになんつー腕力だ…」
ボールは奪い取ったものの、167センチ52キロ未茉の体重の歴然とした体格の差にも関わらずその体の強さは油断ならないものがあった。


「昔から強い奴しか知らねーからな。アイツは。」
そんな様子に気づいてた嵐は壁に寄りかかりながらどや顔を浮かべていた。


『なんだよ。何泣いてんだよ未茉。』
『だって兄ちゃんムカつく。』
『あ?また負けたのか?』
『お前はチビだし、ほせぇから勝てねぇって言われた。』
『なんだよ。それムカつくな。よし、特訓しようぜ。』
『おうっ!!』

『デケェ奴がチビに負けたらきっともっと悔しいぜ。』

昔、顔中傷だらけになりながらバンソコ貼り合って二人で疲労骨折するくらいに練習したことを嵐はふと思い出していた。

『なぁ、父ちゃん』
『どうした未茉、嵐。』
『どうしたらデカイ奴にチビは勝てるんだ?』
負けっぱなしで悔し泣きを堪え鼻水垂らす未茉の手を引っ張りながら嵐は尋ねた。

『簡単だよ。』


-ースパッ!!と未茉はアウトサイドからの3ポイントを明菜のディフェンスを交わして鮮やかに決めた。

「やった!入った!」
ガッツポーズをして飛び上がり、桐谷とタッチして喜ぶ未茉の笑顔に、
「…前原、あの子はやっぱ天才かもしれない……」
矢野は思わず呟いた。

(あの高さにもあの迫力にもちっとも怖じ気つかない…むしろ生き生き楽しそうにプレーしてる。)
自分の持ち場の肝心なゴール前で怖じ気ついてしまった矢野は自己嫌悪に陥りそうになった。