インターハイで優勝した名古屋第一女子も昨日のプロリーグのエキシビションに出ていた。嵐はエマとはU-16の時のアメリカでのワールドマッチの時からの知り合いのようで、

「多分話せばオッケーしてくれるはずだ。」
「おっ、さすがだなっ!」
未茉はウキウキしながら自信満々の嵐の後を着いてく。

「お前も行けやよかったのに名古屋第一。そしたら男女共にインターハイ優勝、二人で新人王とMVPで肩を並べてたかもしれねーのに。」

「スケールデカッ・・・」
真後ろで聞いていた不破はリアルでムカつくと驚きながらも腹を立て、
「絵になるな。」
他人事のように呟く隣の翔真に
「・・・悠長な奴。」
と呆れていた。

「愛知なんて遠すぎだろ。嵐もよく日本一の高校だからって福岡まで行ったよな?」
「福岡はアメリカと姉妹高だからしょっちゅう対戦できるし、大学もアメリカの姉妹大に行くしな。」
「さすがだな!」
「おう。俺は日本で取れるタイトルは取れるだけ全部取るからな。」

「かっかっこいい・・♡♡」
ららが嵐の言葉に目をハートに輝かせている。


「無理だろ。その女にエマは越えられない。」
嵐とのやりとりを遮るように急に真面目な顔をした不破は後ろから言い放った。
「そんだけつぇーんだ?」
その言葉に益々わくわくが興奮に変わった未茉に対して、クスッ……と嵐は笑い、
「見る目がない奴は所詮はベスト4止まり。」

「なにぃ!?おいっ!!おめぇー今なんっった!?」
「不破さん!」
今にも掴みかかりそうな不破を翔真は引っ張って止めると、


「不破さんは未茉の本当の強さを知らないんですよ。」

プレーと同じくらいに鋭い視線の嵐がピリッとした空気を放ちながら冷たく言い返した。