「うっわぁぁあーいっ!!!テスト終了ーーっ!!!」

次の日テストが終わるチャイムとほぼ同時に、バンザーイッ!!と椅子の上に乗り、手を上げてジャンプする未茉に

「恥ずかしい奴だな・・オイ。」
結城はひきつりながら見上げ、散々未茉の勉強に付き合わされた三上はようやく味わう解放感に浸っていた。

「ZzzzZzzz……」

「なんだ翔真寝てたのか。追試決定だなこりゃ!付き合ってやんねーからな!」
三上のお陰で手応えのあったテストの出来から‘わっははは’と上機嫌に笑う未茉に

「いや翔真は意外と頭い……」と二人が言いかける途中で、

「今日まで部活休みだしなぁ~帰ってアイス食べて練習すっかなぁ。」
教科書を扇ぎながらジリジリと突き刺すような7月の強い日差しと肌にまとわりつくような湿気を恨むように空を眺めてると、

「なぁ!テスト終わったしみんなで海行こーぜ!!」

クラスの誰かがそう提案したのが聞こえて来た。

「海ぃ!!?」
今年は梅雨時期にも関わらず雨はあまり降らず晴天に恵まれ、気づくともうすぐ梅雨明けに思わず心がはしゃぎだし、目を輝かせる。


「行くかー。海。」

いつの間に起きたのか翔真はあくびしながら眩しそうに空を見上げながら珍しくその誘いに乗っかると、

「どうせ明日から練習三昧だしなぁ。夏の思い出に俺も彼女誘っていくかな。」
彼女を誘うのか結城はスマホをいじりながら呟いた。

「海か。たまにはいいね。」
サーフィンもできる三上は、珍しく乗り気だ。