「っーか!なんでここにいんの?福岡も合宿?」
「な、わけねーだろ。お前昨日電話くれたろ?」
「ん?電話?」
昨日を思い返すと、確かららと話しの流れで嵐に電話をしたことを思い出し、

「あー!!そうそうしたした!」
「あの意味の分かんねー失礼な電話だよっ!」
唾を飛ばしながら怒鳴り未茉の頭にチョープする嵐に
「わりーわりー!お前のファンだって子がいて嵐と代わろうかと思ってよ!」

「……」
ぽかーん。と翔真は二人のテンポのいい会話を聞いていた。
(兄弟……うん。なんか似てるかも。話し方やこうリズムも。)
星河兄弟が兄弟というより、桐生嵐が兄弟っていう方がなんとなく頷けた。

「軽井沢の合宿所ったらここしか思い浮かばねーし、明徳女子泊まってるか?って合宿所に電話したら泊まってるっーから来てみたんだ。」
「えっ!わざわざ福岡から!?」

「な、わけねーだろ。昨日まで東京でプロとのエキシビションで試合しててその足で来てみた。東京から一時間だしな。」

インターハイ優勝高と選ばれた選手がプロ選手と対戦ができるていうドリームマッチに参加していたようだ。

「ま、それはいーとして。」
話を一先ず置いてチラッと嵐が翔真を見上げるも、


「桐生っ!?」

バタバタとこっちへ駆けてくる足音に気づき目をやると、公園に不破とららが息を切らしながらやってきて、

「不破さん?」
「ああ。桐生なんでここに…」
「未茉に会いに来ました。」
「会いに来たって…どっから?」

「東京です。」

「・・・。」
(東京からって・・。早乙女といい、桐生といい、なんでこんな女の為にはるばる軽井沢までやって来るんだ・・。しかも桐生は今や高校バスケ界だけじゃなく日本のスタープレーヤーだぜ。そんな奴がなんで……)
理解不能だと言わんばかりに不破は未茉を見ながら顔をひきつった。