「で、下着は着けてきたの?」

ニコッとしながら未茉の体に視線を落とす翔真に

「バカかッ!!お前は」
バコッ!!と背中に一撃を食らわせ、
「名古屋第一に二回も負けるような弱い男に見せる下着なんかねぇーよっ!!」

「…うんそうだね。」
少しだけ睫毛を落とす横顔に
「なんだ。翔真の中にもちゃんと悔しいって感情あるんだ?」
「あるよ。」
人のことなんだと思ってんだって笑いながら持っていたボールをゴールへ向けて投げた。

ーーーシュッ!
鮮やかな弧を描きネットに吸い込まれるように放ったそのフォームは未茉も見とれる程綺麗だった。

「好きな子の前で負けるとこ見せるのはもうこりごり。」

「好きな子ってあたしのこと?」
「あのねぇ・・・」
「あっ違った?」
「他に誰がいんの・・」
さすがに呆れながら言うと、

「翔真が負けたとこ見たの大成と東並くれぇかな。今日も名古屋にはボロ負けだったけどなっ。」
‘まったく’っとため息つきながら未茉はベンチに寄りかかり座ると、
「足は開かない。」
隣に座る翔真に膝を戻される。