「見て。軽井沢自然いっぱいだよ!」
未茉は自慢気にスマホを取り出しエマに合宿中に取りためた写メを見せると
「わぁおっ。」
エマは物珍しそうに画面に釘つけになる。
「探索スポットいっぱいあるよ!あっちはねぇ~」
得意気に説明を始めるとエマも頷きながら聞き入る。

太く立派な眉にクリッとした二重瞼に大きな黒目に長い睫毛、高く筋の通った鼻に分厚い唇。
くるんくるんのパーマのような黒髪にピアス。日本人とは比べ物にならない長すぎる手足。
背も175センチくらいだろうか。
エマのスタイルからまじまじと目がいくと、

「Thank You バイ。」
イヤホンを手に取り耳に戻し合宿所に入ろうとすると、

「なぁっ!あたしは白石未茉!!明徳女子バスケ部!今ここに泊まっての!!」

「……!白石……?」

「えっ!?何知ってる?あたしのこと。」
目を大きく開いたまま、その名前に心当たりのあったエマは振り返って足を止めた。

「私の憧れの人が、いつもあなたの話をしている。」

「え!?」
思いがけないその返しに未茉は驚いた。