「しっかし、明日で合宿も最後かぁー!楽しかったなぁー!!」

いつの間にか名古屋のメンバーともすっかり仲良くなったし、毎日毎日楽しい日々をスクリーンで振り返ってると、未茉は寄りかかる椅子を揺らしながら寂しく思った。

「そっかぁ。明徳は明日帰っちゃうのかぁー。」
釣られてららは寂しそうに呟き、思い出したように手を叩く。
「そうだ!今日、名古屋と明徳は男子試合するって。」
「えっそうなの!?」
初耳の男子達が我に変えって聞き返す。
どうやら野村監督が泣きの一回で頼み込んだようだ。

「さっき監督から連絡があって女子も今日来るからバスケの女神見れるよ!」
「本当!?わぁーいっ!!超楽しみっ!!!」
未茉は両手をあげて喜び、何か閃いたように提案する。
「じゃ女子も名古屋第一と試合したいっ!!!」
突拍子もないことを言い出したな・・・と周りからは冷ややかな視線が送られると、

「やめとけ。」

不破がご飯を頬張りながら冷たくいい放つ。
「なんでだよー!」
「お前はともかく明徳女子の連中があまりの屈辱にバスケ続けられなくなるぜ。」

その言葉にさっきまで笑いの巻き起こってた食堂内は一気に静まり返った。
二年女子、前原や矢野も箸を持つ手が止まった。

「…らら。インターハイ準決勝の大成とうちの試合見せてやれよ。」

「あ、うん。」
持っていたアイパットでインターハイの女子の映像をららは流した。

‘愛知に凄い女がいるーーー’

静香の言ってた言葉がどれ程のものなのか…未茉は睨むようにスクリーンを見上げた。
その真剣な眼差しに隣にいた翔真もスクリーンに目をやる。