「しかし。翔真を自分のモノにねぇ……」
ららとの言葉を思い出し、改めてその大きな図体を見つめながら、
「なんだかでっかい荷物だなぁ!」
持ち運びできねぇーと一人で笑いだす。

「なんの話だろ??」
さっきからずっと話についていけない翔真は首を傾げた。
「翔真のモノになるのは嫌だし、しゃくにさわるから、翔真があたしのモノになればいいんだなぁ。」


「んー?じゃ、なんなりとお申し付け下さいませ。ご主人様。」
未茉の手にキスしながら微笑む翔真に、
「あははっ!」
喜ぶ未茉はその背中に腕を回して寄りかかるように歩くと、
「!」
チュッと今度は唇にキスをしてくる。

「あーっ!まだ何も申し付けてないのにキスしたぁっ!」
「え。してないよ?」
「あっ!また嘘ついた!!」
「ぐう・・・」
寝たふりをして目を閉じる翔真に今度は未茉がジャンプして肩を引っ張って背伸びしてチュッ!とキスをすると、

「寝起きの熊にキスしたら襲われるよ。」

「あはははっ。根に持ってやがる!」
「当たり前。」
「えー。なんかやっかいな持ち物だなぁ。」
「返品不可でお願いしますね。」