一方、肝試し入り口。

「楽しみだねー。」
「本当に怖いのかなぁ?」
女子達の胸を弾ませるキャピキャピした声が響く中で順番を待つペア達の最後尾では・・・

「なんで・・・。」

頭に白い三角幽霊頭巾を未茉に着けさせられたお手伝いのキタローが持つペアを決めるくじ箱から翔真の名前が書かれた紙をひく不破は、
「なんでっ!!俺が男なんかと回んなきゃなんねーんだよっ!!!しかもコイツなんかとっ!!!」

「もしかして怖いんですか?不破さん。」
クスクスと犬も喰わぬ顔で笑う翔真に、
「こ・・怖いわけねぇーだろっ!!こんな子供騙しっ!!」

「名古屋は奇数だから男が余る……」
突然現れたキタローに、
「うおぉっ!!喋ったっ!!」
お墓が似合うキタローにビビり後退りして翔真にぶつかる不破。

「俺らラストペアだし、新川さんと未茉ちゃんはお化け役で中で待機してるから迎えに行ってあげないと。」
「お・・おう……」
顔色が悪くなる不破がその言葉に気力でメンタルを立て直す姿に翔真は密かに笑いを堪える。

「いやぁぁぁっ!!もーっ!!超ー怖いっ!!!」
涙ながらに絶叫しながら駆け足で戻ってくるペア達を見て、

「おい・・・本当にここ大丈夫なんだろうなぁ・・・?」
「さあ?」
「さぁじゃねーだろうがっ!!俺が霊界に連れ去られたらどうすんだっ!!?」
「霊界っ!あははははっ!」
あまりにビビりまくる不破にもう笑いを堪えきれない翔真は、
「どうぞ。遠慮なく抱きついてもいいですよ。」
「バカにすんじゃねぇーっっ!!!」