「うーん。」

すっかり日差しが木葉を伝い地面に照りつける夏の太陽を翔真は、眩しそうに見上げながらのんびりと歩いた。


「わぁーうめぇっ!!」
「へっへーんだっ!あっ、てか違う腕が曲がってる!!腕はこうっ!!」
「えー難しいじゃん。」
「難しくない!あのボードの四角の右上にボールをぶつければ絶対入るよ!やってごらん。」

「わっ、ほんとだっ!!」

「いえーいっ!!」

すぐ近くの公園からワイワイと子供達とハイタッチしながらバスケットゴールの下で跳び跳ねる賑やかな声が聞こえてきた。


「やっぱりここだ。」

翔真がフェンス越しに足を止めると、そこには頭に包帯を巻きながら無邪気な子供達にシュートを教える未茉の姿があった。

「うわっ!でけぇ兄ちゃん!!!」

子供の一人が公園に入ってきた翔真に気づき振り向くと190センチの長身を指差して驚いてる。


「あっ翔真だっ!!何してんの!?」
まさかの登場に未茉も驚いて振り返った。

「名前からして強そうだなぁ・・・」
とあまりの高さに首を痛めながら子供達は見上げると翔真は微笑んで子供達の目線に合わせて座り、頭をなでなでしてる。

「兄ちゃんならダンクシュートできる?」
「うん。やる?」

翔真はボールを持つ男の子ごとひょいっと持ち上げた。
「わっ!」と驚く男の子を肩車をしてリングの側にやってきて

「うわっ!すっげー眺めっ!!」

地上からの高さに興奮しながらそこからネットにパサッと男の子はボールを入れて喜んだ。

「ほんとにダンクした気分だった!!」
「わっ、ずりー僕も僕も!」
「僕もっ!」
次々と翔真に群がってダンクをせがむ男の子達と一緒になって楽しんでる姿を見て未茉も一緒に遊んでいた。