「あーっっ!!話したかったのにぃー!!」
隣で泣き崩れるららをよそに未茉の思考は少し前に時間を戻した。
「嵐が翔真より強い奴かぁ。」
ふーんと頷き首を傾げるも、二人が戦うシーンなど想像もつかない。
「キングは中学の時、竜之介と湊が本気を出してもまるで歯が立たなかった唯一の存在だからね。」
「えっ!?そんな対決あったの!?超見てぇー!!」
「中学一年の全国の決勝だよ。見てもありゃ酷な戦いだよ。」
「そんなか?!」
「もー見れたもんじゃないって感じなくらいのボロ負け。でも結構私的には衝撃強すぎたけどなぁ。あの二人が本気を出しても勝てなかったなんて。」
「へぇー。」
「当時、私がさ今まで見てきた男の中で竜之介が一番ずば抜けてパワーもあったし、湊が入部してきた時もそりゃもービックリしたけど、中一のあの試合で嵐を見た時に、神の子を潰す神を見たっていうエグさがあったよ。」
「嵐を見ようと思って動画で見たことあんなーそれ。そっか相手は翔真達だったんだーおもしれぇ!」
もっかいみたいと思ってると、
「そういや、翔真ママも中学の時勝てなかった奴いるって言ってたなぁ。それが嵐だったのか。」
「その試合、竜之介なんか悔しくてしばらく泣いてたし、バスケ辞めるんじゃないかってくらいに。」
「あははっ!翔真の泣きべそ姿も見たかったなぁっ!!」
「ああ…違う違う!翔真が負けて泣いたのは全くの別の相手だよ!」
ららは‘違う違う’と手を横に振りながら答えると、
「え誰……」と言いかけた時、背後からやってきた不破にららはポカッ!と頭をゴツかれる。
「人の過去をベラベラ話すんじゃねー!」
「いったい!!竜之介のバカッ!!」
叩かれた頭を押さえながらららは不破を見上げ睨んでる。



