「はっ!?翔真と不破1on1やってたの!?」

ずりーっと言いながら未茉は合宿所の立派な施設のトレーニングルームで背筋を鍛えていた。

「そうそう。なんか湊が竜之介にあんなマジになってんの初めてみたかも。」
カウントしながら未茉のトレーニングに付き合うらら。

「珍しいなぁ。翔真から勝負を挑むなんて。」
「うん。中学の時から神の子って言われ続けてたけど天狗にもならなかったし、まー、竜之介に気を使ってたんだろうけど。」

「は?なんで不破に気を使うの?」
マシーンを止めて汗を拭き水を飲み干しながら言った。

「ほら・・・。あの超ー俺様の竜之介を立ててたっていうか、基本竜之介より目立つことは遠慮してたし。」
「あははっ!アイツらしい!!」
「そもそも竜之介が、当時からあの威圧的な態度で
‘俺が一番得点決めるからお前は最高のパスしろ!!俺を輝かせろ!!’って命令するから湊は永遠にパスだして、まぁ、それが湊も湊で最高にいいアシストしてくれんだわ・・・。」

「あっはははっ!!笑えるなっ!!」

完全に奴隷だったけど、翔真も特にそれで文句一つ言わず、ナイスコンビネーションで一年の時、全国で準優勝してしまうほどだったと言う。