「あ、いえいえ。いらっしゃい。女の子がくるなんて緊張しちゃうわ。どうぞ上がって」
「ありがとうございまーすっ」と未茉はみんなが上がった後、最後にみんなの靴を並べてく。

「男っぽいって聞いてたけど全然女の子じゃない。」
そんな姿を見て三上ママはふふっとお茶を用意しながら取りに来た三上に微笑んだ。


「何、白石の話?」
「そうよ。妹の分のお菓子まで用意してくれて出来た子じゃない。育ちがいいのかな。」
「まぁ口と態度は悪いが性格は悪くないよ。」
「湊君の恋早く実るといいわね。」

「……母さんでも分かるのにな・・・」
報われない翔真を不憫に思いながら、お茶をいれた三上が部屋に戻ってくると、


「わぁぁあ~~~いっ♡♡ふかふかっ!!!」

清潔に整えられた人のベッドに容赦なく全身で勢いよくダイブしぐちゃぐちゃにした未茉を見ながら、

(やっぱり図書館行けばよかった・・・。)と三上は部屋に入れたことを早くも後悔した。


「っーか、お前!男の部屋に来てベッドにダイブするなんて普通は襲われるからなっ!!」
「そんな犯罪おかすのは結城くらいだっつーの。」
叱る結城をよそに未茉は肘をついて片足立てて寝そべってると、

「未茉ちゃん、今度うちにもおいでよ。」

とそんな姿を見た急に狼に覚醒した翔真がベッドに座りながら誘うと、
「行く行く!人んち行くの大好きっ!」
乗っかる赤ずきん未茉に翔真はニヤッとした。