「早乙女は友達で、翔真も友達だけど、翔真には気持ちが違う……。」
「うん。」
「こう…してたい。」
「こうってどう?」
分かってるのに澄ました顔で聞いてくる翔真を嫌いじゃない。

「こう!!」
ギュッと抱きつき笑いながら唇を近づけてくと、水面に浮かぶ二人の影がゆらゆら重なってく。

「……ん」
遊びのようなフレンチなキスを数回繰り返した後、柔らかくなだらかな唇を寄せ合い向きや角度を変えながら長く重ね合うと、

「なぁ、キスの時…息ってどうやってすればいいの?」
はぁはぁ……と止めてた呼吸を乱しながら少し頬を赤らめ潤んだ目で尋ねてくる未茉の強気な普段のギャップとその初々しさは自分しか知らないのかと思うと何か込み上げるものがあって、

「可愛いなー。たまんない。」
すりすりっと首筋に顔を寄せるも、
「答えになってねーだろ!」
ペシッと軽く両頬を叩くと、

「こうやってするんだよ。」

有無を言わさぬ真っ直ぐな口調に逆らえず瞼をゆっくり閉じると、次第に口の中に舌が入ってくる初めての感触に驚き、

「なっ…!」
目を開け、一瞬顔をそらし思わず唇を離そうとするも、すぐに引っ張られ唇を再び強く奪われる。

珍しく強引な翔真の態度に胸のずっとずっと奥が熱くなった。