「しかしあっちいなっ!!!!」

三上の家に向かう途中コンビニに寄り、お菓子を買い込み未茉はアイスを食べながら首から伝う汗に制服のブラウスをパタパタと仰ぐ。

「お、この菓子うまそ。くれ」
と結城が人のビニール袋から菓子を取りだそうとすると、

「無礼者!!身分をわきまえなさい!これは三上大先生へのお供え物だっ!低身分の癖して図々しいにも程があるぞっ!」
ベシッと結城の腕を払い叩きながら言った。
「なんなんだよ・・・そのキャラは。さっき泣きべそかいてた奴がよ」
「はぁ?かいてねぇよ!!」
「かいてたろっ!?」

その言い合いを繰り返しながら三上の家に到着した。


「きれぇーなマンションだなぁ…!翔真んちのマンションも凄かったけど負けてないなぁ。」

キョロキョロしながら未茉は高級感溢れるマンションのウェルカムロビーを探検するように駆け回る。
「子供か。アイツは・・」と呆れられながら。

「てか普通に白石んちの方が金持ちだろ。あんな立地のいいとこに一軒屋だし。」
「そうかぁ?!逆にマンション憧れるなぁ!」

ルンルンと弾んだ足取りで三上の家の玄関前に辿り着くと、おしとやかで優しそうなママが出迎えてくれた。

「「こんにちはー!お邪魔します!」」
「あらあら。いらっしゃい。湊君に結城君!あら……彼女は…」

「あ!初めまして!白石未茉と申しやす!三上と……あっ、三上君と同じクラスで同じバスケ部でーーすっ!」

「あっ、噂の湊君の……!」

「?翔真の??」
首を傾げる未茉にバレないように三上は母親にシーッ!と余計なこと言うなサインを送る。