「こういうのがお前のいう隙なんだろッ!?だったら女扱いすんなよ!!」
「そういうわけじゃ…」
「今一緒にいるのが三上や翔真でも服貸してくれんのか!?」
「……」
「あたしは女に見られたいわけでも、お前らの前で女としていてぇなんて思ったこともねぇーよっ!!想われたいとかそんなこと思ったことねぇーよっ!!」

「……」
サァァァッ……

「ただ好きだから一緒にいるんだよ!!わりぃか!?話や空気が合う奴等と一緒にいたいんだよ!男とか女とか関係ねぇんだ!!」

雨粒が髪や頬に伝い、涙のように見えるのは心の奥底にしまってた叫びだったのか…結城は言葉が出なかった。

「早乙女もお前も三上もあたしからみたら大差ないんだよ…大好きなダチでだから早乙女からそう言われると応えてやりたいのに応えてやれなくて自分が嫌になるんだよ!!だってアイツすげーいい奴……ほんとに嬉しい言葉くれる」
その言葉に救われるのは助けられるのは自分だ。

「翔真のことが気になるから諦めろ……なんて本当にわりぃと思った。こんなあたしのことなんかあんな風に言って貰えるなんてよー……。」

もどかしく苛立ちどうしていいのか分からないと額に手をやりながら未茉が見せた辛さと悔しさを滲ませた思いに、


「……悪かった。」

バサッともう一度パーカーを未茉の頭に被せながら結城が謝った。

「彼氏とかいらねぇんだよ…。別に恋されたいとか思わねぇから友達としていたいんだよ。傷つけたくないんだよ」

「……分かった。」
なんでこいつはたまに女を見してくるんだとか思ってたけど、違うのかーー。勝手に自分がそういう色眼鏡で見てただけ。

コイツ自身はいつも対等に人を思う。
つい感情に走ってひどい言葉を投げつけてしまったな……と反省した時、


「でも翔真は……違う。」

「……」
「まだ気持ちに自信持てないけど、翔真だけは違うんだって分かる。」
「おう。」
除外された翔真にそうかと結城は少し嬉しそうに頷いた。