「それはお前が気を持たすような態度をとるから向こうもつけこむんだろっ!!翔真にだってそうだ!!お前のやってることはそうなんだっ!!」
「もたしてなんかねぇーよ!!早乙女にはちゃんと断った!!」
「いいや、お前には隙がある!男をつけこませる隙が!!」
「んなもん知らねぇーんだよっ!!!」
苛立ちのあまりむきになった未茉はーードンっ!!と結城の肩を片手で勢いよく押して壁へぶつける。
「ってぇなっ!!このバカ女っ!!」
「早乙女はなっ、友達なんだよ!!大事な友達なんだっ!!あたしは友達を無下にするようなことはできねぇ!!つけこませだってなんだってできねぇんだよっ!!」
「おーい。君達・・・。」
「「あっ?!」」
すぐそばから聞こえてくる声に呼ばれ、二人は同時に勢いよく振り返り睨むと、
「通行人の迷惑です。それ以上続けるなら警察呼びますけど?」
「「!!」」
駅員にそう脅され渋々、駅を出ていくと、
サァッ……
「雨かよっ!」
チッと雨雲を睨みながら結城はパーカーのフードを被るも、未茉はティシャツ姿のまま一人でずんずんと勢いよく歩いてく。
「おいっ!!」
「うるせー話しかけんなっ!!」
「・・・ったく」
苛立ちを押さえながら結城は着ていたパーカーを脱ぎ、後ろから未茉の頭へ勢いよく被せる。
「いらねぇーよっ!!」
そのぶっきらぼうな優しさをこのタイミングで出してくる結城に未茉は睨み、パーカーを投げるように突っ返す。
「てめぇ…マジキレた。調子に乗りやーー」
「女扱いすんなよ!!!」
「ーーー……!」