早乙女を乗せた新幹線を見送った駅のホームで未茉の心の中にはまだ貰った言葉の余韻が残っていた。

「あぁぁぁあっ!!」
思わず発狂しながら改札階段を登ってく。
答えてあげられないムカつきと傷つけてしまったことへの苛立ちとよく分からない気持ちにがっくり肩を落としながら今度は足を引きずりながら歩いてると、


「何してんだ。お前。」

「わっ!!なんだ結城!?」
改札前で壁に寄りかかり腕を組んで冷たい視線を送る結城が待ち構えていて未茉は飛び上がるように驚いた。

「何してんだって聞いてんだろ?」
「お…お前こそ何やってんだよ!!こんなとこで!!」
「話すり替えんな!お前、早乙女なんかと何やってんだよ!!」
「見てたのか!?」

「さっき、女共とそこで飯食ってたらお前が早乙女と一緒に駅に入ってくの見えたからよ。」
何をそこまで荒々しく苛立ってるのか未茉には分からなかったが、

「俺、マジお前が何考えてんのか全く理解できねー!」
頭に来るには充分な言いがかりだった。

「なんだとぉ?」
「お前翔真に気持ちわかんねぇとかなんとか言っときながら、いちゃついたりしてんじゃん。」
「いいだろっ!!翔真とはキスしたいんだからよっ!!」
「なっ・・・!!?」

こ、こ、こいつは・・なんつー男みたいな開き直りをしてくる奴だ・・と一瞬、結城は驚くも怯むことなく言い返す。

「お前翔真との自由行動をドタキャンしといて早乙女なんかとデートされる翔真の気持ち考えて見ろよ!!」
「分かってる!!そんなことは分かってる!!でもわざわざたった三時間の為に大金はたいてあたしに会いに来てくれた奴を突っ返すなんてできねーだろっ!?」

ざわっ……駅中のコンビニや物産店を出入りする人達が未茉と結城の凄まじい剣幕の言い争いに足を止めざわめく声も気にすることなく続く。