「急に呼び出してごめんね。」

優しくて爽やかな笑顔で早乙女は、未茉に手を振った。

「全然いいっけど!!てかなんで早乙女がここに!?」
繋がってたスマホを切り慌てて靴を履き替えながら玄関に立つ早乙女の元へ走った。

「ほら、昨日LINEした時に今日は自由時間あるって言ってたから来てみちゃった。」
「えっ!!もしかして大成も軽井沢で合宿だったの!?」

「まさか違うよ。」

「?」
「白石さんに会いに東京から来てしまいました。」

ちょっと照れくさそうに言うも、未茉の反応を伺うように苦笑いを浮かべた。

「…やっぱ気持ち悪い人とかって思う?」
「え??」
「こんなとこまで急に会いに来たりして僕嫌われるかなって思いながらも来てしまいました。」

「嫌われる?」
あははははっと未茉は笑いだし、
「嫌うわけないじゃん!早乙女はあたしのダチだもん!」
背中をばんっ!と叩くいつもの元気いっぱいな未茉の姿を見て彼は安堵の笑みが溢れた。


「自由時間6時までだったよね?」
「そう!よく知ってんな?」
「昨日LINEで、合宿中唯一今日は三時間の自由時間があるって言ってたから。何してたの?」
「うんとね、夜に肝だめしするからその準備してた!」
「肝だめし?」
「うん!あっ、早乙女も参加してかない?!」

「したいけど、七時の新幹線に乗らないと東京の地元に帰れないな。」

「そーなんだぁ。残念だなぁ。あたしの力作なのに。」
「肝だめしに力作があるんだね。」
クスクス笑うと未茉はようやくハッと気づいた。

「てか、待って早乙女!何時にこっちに着いたの?」
ガシッ!と腕を掴んで彼を問い詰めるように尋ねた。