「これを切ればいいの?」
不破はほっとき翔真は未茉に聞くと画用紙を切ってく。
(クソ甘いな…。この女にはよ!)
チッと色ボケ翔真に舌打ちしてると、
「うん!そう!ありがとっ!」
嬉しそうな笑みを翔真に向ける未茉を見る翔真が一番嬉しそうに不破の目には映った。
(…そうか。甘やかしてるとかでもなく、ただこの笑顔が見たい単純な奴なのか。)
「未茉ちゃんのヘタ……真っ直ぐ切れてない。」
「読めりゃなんだっていーんだよっ!」
「こうでしょ。」
そう言いながら未茉の体をすっぽり包むように座って後ろから一緒にハサミで切ってあげる翔真に不破はため息ついた。
神の子もただのバカで、難しく考えてるのは周りの人間なのかと思った時、
♪♪♪……
未茉の携帯が鳴った。
「あ、早乙女だ。」
画面には大成の早乙女から着信が表示されていて、
「はぁーい!もしもーっし!早乙女?久しぶりー!!!」
「おい、男からだぞ。」
面白い反応を期待して不破はニヤッと試すように翔真を見て言うが無反応だった。
「えっ!今からっ!?嘘っ!!」
未茉は翔真から囲われていた腕の中からすくっと立ち上がり、電話を持ったまま部屋を出ていった。
「なんだなんだ。」
ま、静かになっていっか。と不破はまた寝そべって動画を見ると、翔真が立ち上がってベランダに出ると、
「白石さん!」
真下の合宿所の玄関には早乙女が玄関から出てきた未茉に手を振っていた。
「おい・・・。あれまさか大成の一年坊主か?」
気になってベランダに出た不破が尋ねると、
「はい。」
ベランダの柵に肘つきながら翔真は頷いた。