「あぁ?てめぇ俺がせっかくアドバイスを…」
と言いかけるも、また電池切れたみたいに眠ってしまう子供のような無邪気な寝顔に

「……なんだよ…」

思わず数秒息を殺し見つめて、無意識にその頬にかかる髪に手を伸ばそうとしまった自分にハッとした時、


「不破さん・・・。」

「!!!」
「ナニしてんです?」
起き上がった翔真は呆れながら尋ねる・・・。


「なななにもしてねーよ!!!」

「じゃなんです?その手は」
疑わしい視線を送る翔真に疑惑の手を振り回しながら
「か…蚊だっ!!蚊がいたんだっ!!!」

「あははは!なんてベタなこと言うんですか。」
ヤバイ面白いと思わず笑ってしまった。
「ほ…本当だっ!!!」
「不破さんまで惚れるのはやめて下さいよ。っとに。」

「お前なぁっ!!自分の惚れた女がいい女とかいうイカれた自慢やめろよ!!」
「……まぁ実際、いい女ですからね。」

「はっ!?お前・・自惚れも大概にしろよっ!!」
「何言ってるんですか。自分だって魔が差したくせに。」
「さ・さ・さしてねーしっ!」
「そうやって素直になれないから新川さんから愛想つかされるんですよ。」

「ぐっ・・・!!」


「うるさい……ふぁっあ~~」
なんなの~?と大あくびをしながら未茉は男二人が言い争う声に目が覚める。

「なんでもないんですか?不破さん。」

わざとそういう言い方をする翔真に、
「なんでもねぇーだろっ!!」
「何?なんでこの人っていつもこんなにキレてんの?生理?」

「お・・女がせ・・生理とかいう下品な冗談言うんじゃねぇっ!!」