「ちょっとさ、悪いんだけど掛け声かけてくれる?」
「「は?」」
「いっせいのせーで、的な?」
あははっ……と笑うも未茉の脳内には昔のトラウマが過ったのだった。
昔小学校の頃、言うまでもなくヤンチャな悪ガキだった未茉はこんな風に塀を乗り越えて飛び降りて顔面強打したあげくに鼻を骨折し、手術した激痛思い出が過り、急に恐怖にかられたのだ。
「未茉ちゃん。おいで。」
分かった。とクスクスと笑いながら翔真は両手を伸ばし見上げ、
「大丈夫。絶対受け止めるよ。」
「……!」
翔真がそういうと未茉は何よりの安心感に変わり、踏み出す勇気を持った時、
「よし、じゃ俺も受け止めてやるよ。」
ニヤッとしながら結城も両手をあげて言うと、‘なるほど……’と頷きながら三上も両手を広げて
「誰に受け止められたいか考えてみて。」
好きな男を選べと言う意味だ。
「さぁ、白石。誰にする?」
そう訪ねられた瞬間にはーーー、もうすでに未茉は宙を浮いていて、
選んだのはもちろん。