いつもお昼にはぐったりしている明徳組は午前中にも安定の鬼トレがあったのにも関わらず、賑やかに食堂で盛り上がってる。

「あれっ、みんな今日は元気じゃん。」

中でも一際夜のテンションみたいに元気な一年女子に未茉が言うと、
「当たり前よ!!このあと二時間練習頑張れば自由行動だもん!!」
「名古屋第一の人達と約束しちゃったぁー!!」
きゃはっ!!と浮かれながら盛り上がる女子達は軽井沢の観光雑誌を広げて計画を練ってる。

「やっぱアウトレットだね。」
「私行きたいブランドあるんだー。」
その隣のテーブルでも淡々と二年女子が自由行動プランを立てていた。

「そういやぁ、翔真とデートするって約束したっけ。」
未茉はふと思い出すと、

「えっ!?白石さん湊君とデートなの!?」
「いーなぁ!!マジ羨ましいっ!!!はい!あるよ!デート観光プラン!!」
すでに妄想が始まってる女子はハイテンションで未茉に雑誌を渡してくる。

「なんかどれもこれも気持ちわりぃプランだなぁ・・。もっとサイクリングとか体動かせるプランねぇーの?」
ご飯を食べながら本にケチをつける未茉の隣にららがやってきた。

「お疲れー!」
「おう!ららはえーじゃん!」
「うん。洗い物キタロー君にかなり手伝ってもらっちゃった!彼ほんっっと頼りになる!!最初はめっちゃ怖かったけど、助けられてるー!」
「だろ?!アイツは超ー優しくて気がきく男なんだぜ!」

「あ、明徳は二時から自由行動だって?」
「うん。そー!」
「デートプラン?湊と?」
未茉が見ていた雑誌を覗きこむ。
「こんなデートするなら翔真とバスケしてた方がよっぽど楽しいな。」

「それ湊が聞いたら泣くよ・・・。」
こんだけ練習してんのにまだバスケをしたいと言う未茉にららは呆れてると、思い出したように手を叩いた。