名古屋第一高校は、女子に限ってはここ二十年近くインターハイ優勝の常連でその名前を聞けば、‘女子バスケ’と出てくる程、歴史ある高校だった。

優勝できなくても準優勝か、まれに3位には必ず入ってきた。

規模は県内ではない。全国の強豪バスケ部の中学生を目指し行きたがるも、名古屋第一高校にスカウトされたほんの僅かな選手しか入学はできない。

そして男子も近年全国ベスト4の実力を見せつけてる。
全国でも男女揃ってインターハイに出場出来る強豪は名古屋第一と大成くらいだという。


「名古屋第一の女子……来てたの?」

もちろんその事実を知るららの登場に前原や二年達は食事を運ぶ手が止まって目をやった。

「女子は優勝したし、まだ疲れがとれてないから名古屋だよ。マネージャーの私は女子の試合の後、そのまま昨夜から軽井沢に入ったの。」

明日女子もここへ合流するとららは言った。


「そういやさ、白石さんも監督直々に確かうちからスカウトされたでしょ?!うちの監督スカウト失敗って相当悔しがってたよー!」

「「え…!!未茉も名古屋第一に!?」」
その実力に相応しいとは分かってるが改めてその凄さに明徳メンバーは驚き視線を集める。
「うん。断ったな。寮嫌だし。」
「…え!そんな理由で・・?」
うちの高校を志願しても入れない人をごまんと見てきたららと不破は信じられないと言った顔で見てるが、
((白石らしいな・・))と明徳組は頷いた。

「なぁなぁ!!あたしの大成のダチ(静香)が言ってた愛知の凄い女も明日来る!?」

期待大の未茉は目をキラキラと輝かせテーブルを乗り出して新川に尋ねると、

「数日遅れるけど必ず来るから会えるんじゃない?バスケ界の女神に。」

にこっと彼女はウィンクしながら微笑んだ。