「つーかよ、お前はなんで明徳選んだんだよ?悪いチームではないんだろうがよ。」
「ははっ。」
「あんだよ。笑うとこじゃねーだろ。」
「俺、そんなに明徳似合わないかな…」
最近三上にも全く同じ質問をされたことを思いだし苦笑いした。
「似合うとか似合わないじゃなくて、お前の才能と高校がそぐわねぇだろ。」
小学のミニバス時代に入部してきた翔真は、初めてボールを触ったのにも関わらずその感覚もセンスもずば抜けていた。
「俺が半年かかってようやくできたことをお前は三日でできる。ムカついたぜ。マジ」
「そうでしたっけ?」
「そぉだよ!!こっちは覚えてっからっ!!」
「でも俺初めて負けた相手は不破さんですよ。」
「通算にしたら変わんねぇだろ。」
実力で勝る相手がいないと思ってた自分があっという間に追い付かれ食われてしまうんじゃないかという恐怖心に生まれて初めて晒された相手が翔真だった。
「俺、」
「あ?」
「才能っていうのは一番を競う為だけのものじゃないと俺は思うんですよ。」
「……!」
「まだ自分には使い道が分からない。」
「……一番を競わないのは余裕だからだと思ってたぜ。」
意外な翔真の本音を聞けたことに不破は驚いた。
「だってお前俺を越えないように俺より目立たないように無意識にプレーしてたように見えたし。」
「まさか。それはないですよ。」
「……」
(気づいてやってたら偽善者になるが、本人が気づいてないからそれは優しさとして伝わるんだ。
だからコイツは妬まれないんだろうな……。)
「でも最近は未茉ちゃんが喜ぶならって俺もカッコいいとこ見せたくて自然と競ってますよ。」
「はっ!?バカじゃねーの!?男が女になんか左右されてんじゃねーよ!」
信じらんねー!と耳を疑いながら勢いよく立ち上がると、
「意外と悪くないですよ?」
ふっとまたいつものおっとりとした余裕な笑みを浮かべる翔真にもう何も言う気が起きなかった。



