「えっ翔真って愛知にいたの!?」

「うん。親父が転勤ばっかりだったから愛知に中1まで。不破さんとは小中が一緒だったんだ。」
「へぇー!!で、一緒にバスケ部だったんだ!?」

三人で並んで花火をしながら翔真は不破との過去を話を始めた。

「あのままお前がいてくれたら、全中優勝連覇も夢じゃなかったな。名古屋にも来てりゃな。」
かったるそうに花火を見ながら過去を惜しむように遠い目をする不破に、

「あははっお前、相当翔真のこと好きなんだなっ」と未茉は笑うと、
「うっせぇお前は黙ってろ!!」
「照れなくても大丈夫ですよ。知ってるんで。」
「おまっ・・・」
「「あはははっ」」

「っとに!!お前があのまま愛知にいて名古屋第一来てたら、アイツに勝ってインターハイ優勝してたな。」
声のトーンを落として今日一番のシリアスな顔で残念そうに言うから少し眠くなってきた未茉だが、
「アイツって?翔真と破壊王が揃ったら向かうとこ敵なしなんじゃねーの?」

「なんで俺だけ名前で言わねぇーんだよ・・・!!」
「だって不破っつたらキレんじゃねーかよ。」
「呼び捨てだからキレんだよ!!っーか翔真、こんな女とは別れろよっ!!」

「付き合ってないから別れるも何も……」
そう言いかけた途中でトンッ……と翔真の腕に寄りかかるように未茉は眠ってしまっていた。

「あっちぃ!」
おかげで足に未茉が離した花火が当たり不破は一瞬熱くて立ち上がると、

「ははっ!バチがあたった。」と翔真は笑うと、
「うっせぇー!!ちっとも面白くねぇー……」
目を向けると彼女のあどけない寝顔を愛しくてたまらないって顔して見つめる翔真の横顔に不破は言葉を詰まらせた。