「やる。」
「おう。」
お供え品としてポッキーを一本差し出して、教科書を広げてこことここだと指を指す。

「そこはこうでああでああだ。」
眼鏡をかけた三上から特別指導を受けながらせっせと問題を解いていると

「うわ、あれ翔真か。」

「ん?」
三上の言葉に視線を辿って窓の外を見ると

「すっげー数だなぁおい・・・。漫画みてぇ。あんなん実際あるんだなぁ。」

校門で他校の生徒達に囲まれて手紙やプレゼント攻撃されて立ち往生している翔真の姿が見えた。


「しかも女ばかりかと思いきや、複数の男子がいるのがまたウケるなぁ・・」
「そっちにもモテるんだ。誰にでも優しいからな翔真は。」

‘あはははっ!’と豪快に笑う未茉にたまらず結城は、
「いやいやそんなことない。白石には特別優しいんだからな?勘違いしちゃダメだ。」

「まぁ、エース同志だからな。」

肘をついて微笑む未茉に「いやいやそうじゃなくて……」と何度も手を振って三上は静かに否定するも無駄だった。