「白石だよね?」

不破が食事を取りに行く間に名古屋第一の男子達が話しかけてくる。
「おお。そうだぜあたしは白石。よろしく!」
「うん、宜しく。夜練終わったら近く散歩行かね?花火持ってきたんだ!」

「えっ!?花火!?やるやるっ!!!わぁーいっ!!!」
目を輝かせた未茉は両手をあげて喜ぶと

「すみません。彼女は俺と約束あるんで。」

渋々起き上がった翔真が軽く頭を下げながら名古屋第一の男達に断りを入れると、「なんだ……」と面白くない顔して去ってく。

「えー花火ぃ~~………」
未茉は涙目で彼らを見送ると、
「分かった分かった。どっかで買ってくるから。」
「ほんと!?やったぁあっ!!あれだよ?パチパチって落ちる奴!」
「前やった線香花火でしょ?」
「そぉそぉ!また勝負しようぜっ!」
肘をつきながら優しい目で話す翔真を見ながら不破は戻ってくると、

「なんだ。やっぱ付き合ってんじゃねーかよ。」

だったら紹介しろよな、って顔をして不破は食べ始めた。


「んー。まぁ彼氏候補ってとこかな。」

少し考えて未茉が平然と言うと、
「あぁ?!」
不破は睨みながら翔真にキレた。
「オメェ、女は顔じゃねーだろっ!?こんなイキった女やめろ!!」
「・・・・」
疲れてるのに更に大声でわめき散らす不破に翔真は耳を塞ぐも、

「じゃあ、勝負するか?不破。」

ニッと未茉が笑うと

「あ?お前、誰様に口聞いてんだこの野郎。」

「えー……またそういう展開?」
もう飽きたよ。と言いながら翔真は机に伏せた・・・。