「キタロー!!!見て見てぇえ!東京駅限定のじゃがりぽだって!!」
「ホントだ…」
合宿出発の当日、新幹線の乗り換えを待つ間未茉はお土産屋さんでお菓子を物色しながらキタローの手を引っ張り連れまわす。
東京人でもあまり東京駅には来ないので、どこまでも広がるお土産フロアーのめくるめくるお菓子の誘惑に目を輝かせていた。
「試食したぁーい!あっ、みて!限定のキットカッツもある!!食べたぁーい!!」
うるさい未茉を見かねた店員が特別に試食させてくれると、
「わぁーい!やったぁー!おいしいー!!」
両手をあげて喜ぶ彼女を隣でキタローは見つめ、
(白石のお菓子好物は、じゃがりぽにチョコ…、勉強になるな…!!!)と新しい発見にキタローの心は踊りiPadのデータを更新しまくる。
「あっ!ひよことカステラだぁ!!これも限定だぁ!!!」
(洋菓子もいける…和菓子も……)
「あっ!ポップコーンもうまそう!!あっあっちにケーキあるっ!!」
(お、お菓子ならなんでもいけるんだな……)
急いでメモを取り未茉が食い散らかしたモノを片付けながら後を追うキタローなのであった。