「しかし生で見てたんやけど、健さんの怪我ヤバかったで。」
インターハイの会場で王子男子の試合を観ていた静香が思い出したように言った。
「それ聞こうと思ってたぜ!どうだったの!?」
「名古屋のエースとゴール下の空中戦でリバウンドで思いっきり手持ってかれたんや!あれは相当痛かった思うで。」
「健さんの腕持ってくってそれって相手も凄い力だったんじゃない?」
「そや、愛知の破壊王と呼ばれてる奴や。しかしや凄いのは、その後もプレーし続けとんねん…。ボール持つだけでも痛いやろうに、痛みと戦いながらも最後まで戦う姿に女の子だけやなく、会場中が泣いてたで。」
思い出すと健の勝利への執念と悔しさに静香でさえ言葉をつまらす程だった。
「あの姿みとったら未茉は完全に健さんに落ちとるな。」
‘優勝したら俺の女になれよ’
‘一番に駆けつけたら他の男と抱き合ってて。’
‘人生最悪の夏だな’
その言葉が何度も未茉の頭の中をリピートし胸を痛めた。
「しかし、愛知にすげー女がおったで。」
「愛知に?」
インターハイの女子の決勝を見てきた静香は興奮ぎみに語った。
「あの田島さんでさえ一歩も動けんかったやで。あれは天才を越えた神や!インターハイ女子はあの女一色や!」
「……へぇ。」
「国体でのリベンジが楽しみやな!」



