「私も電話したんだけど携帯忘れてったみたいで部屋から着信音が聞こえてきたわ。」
「翔真っぽいなぁー。」
あははっと未茉は笑いながらリビングの写真に目をやると、
「あ、バスケの時の写真だ。」
「それはミニバスの時の全国大会。」
翔真母はキッチンで紅茶を入れながら、思い返したように話した。
「同い年で物凄い上手い子がいてね、全く歯がたたなかったってあの子が珍しくしょげてた。」
「へぇー。翔真が勝てない相手かぁー……誰だろー。」
「白石さん、座って座って。」
お洒落なティーカップに手作りのベリーケーキを用意してくれて、
「美味しいー♡♡幸せぇ!!」
未茉はあまりの美味しさにほっぺに手をあてながら舌鼓していると、
「そんなに喜んでくれるなんてこちらも本当に嬉しいわ。」
「翔真はこんなに美味しい料理食べてたからあんなに大きくなったんだなぁーっ!」
屈託ない笑顔で納得する未茉に翔真母はフッと嬉しく微笑み、
「噂通り、本当に可愛くて真っ直ぐで素直な子なのね。」
「えっ!!いやいや~~可愛いなんてそんなぁ~~~よく言われますけど!!」
「ふふっ。翔真がイチコロなのが分かる気がするわ。」
「・・・イチコロ・・・」
(翔真が・・・あたしに?なんか考えられない・・・)
気づいたものの、現実感はなく固まってしまった。



