「あ!こんばんはー!白石です!」

「こんばんは。いつも翔真がお世話になってます。さあ、乗って乗って」
エレベーターを止めて待っててくれたようで未茉は急いで乗り込む。

「なかなか来ないから迷ってたのかと思ったわ。」
心配でわざわざ降りてきてくれたみたいで、
「いやぁ~すみません。なんかこんな高級マンション見たらウキウキしちゃって。てへへ。」
「あら。まぁ。」
ふふっとふんわり優しく微笑むお母さんは雰囲気が翔真そっくりだった。


「翔真はママ似なんですね。」
「そうかしら。私は背小さいんだけれど…」
「あははっ!背じゃなくて。雰囲気とか、笑った感じとか。」
「あの子に怒られそうね。」
「えっ、翔真って怒るの!?」
「うーん。怒るというか黙るというか…」
「黙る時は怒った時なのか……気を付けなければ。」
未茉が頷き警戒してると、翔真母はクスクスと笑い、

「白石さんには怒らないんじゃない?好きな子にはね。」

「え?!!」

先程ようやく翔真の気持ちに気づいた未茉にまさか母からもそう来るとは思わず驚くのであった。