「おわっ・・・!!」

朝いつものように部室に到着した未茉は、自分のロッカーの前には沢山の手紙やプレゼントの入った紙袋につまづき、

「いってぇー!!なんじゃこれぇっ!!」

尻餅ついた腰を撫でてると、

「差し入れよ。」
「キャプテン!!……あ、元キャプテンだ。」

後ろを振り返ると元・女バスの鈴木キャプテンがバッグから紙袋を出して、

「試合当日に預かったファンの人達からのプレゼントとか、学校に届くラブレターっても、ほとんどLINEのIDとかばっかだけど。」
自分のロッカーの前に置かれたプレゼントをせっせと入れていく。

気づくとキャプテンも持っていた紙袋にはプレゼントやらメッセージカードやらが詰め込まれていた。


「昨日高校バスケットの雑誌の発売日だったし、ネットでもインターハイ予選の記事で東京は大々的に特集組まれてたから。」

「ああ……あのおっさんの雑誌のか。」

「毎年スポーツ女子高生のオタクやらマニアやら、他校の男子からのラブレターがこの時期凄いからね。わざわざ学校に来て先生達に預けたりしてさ。あんたなんか特にエースだし田島よりも目立ってたし。」

「わざわざここまで来たり送ってきたりすんのかよ!すげぇな・・」
「SNSやってないの?DMとか凄いことになってるわよ。」

「SNSとかだりぃことしねぇなあたしは。」
「それが一番よ。誹謗中傷とか変なのもくるからメンタルやられちゃう子もいるからね。」

「確かになんか最近連日DMがどうこう結城が言ってたかも!」
「ああ。BIG3なんかもっと凄いんじゃない?ほら。」

廊下から隣の男子の部室を覗くと扉が締まらずに手紙やらブレゼントが山のように積まれているのを鈴木は指差す。

「うわ・・・すっげぇ・・・」